(2017/11/28加筆修正、2018/3/23加筆)
我が家は転勤でデュッセルに来たので、駐在員視点からの雑感を書きます。半年以上も前に下書きを書き始めていたのですが、すでにフレッシュだった(その頃もフレッシュだったかは別)あの頃の記憶がおぼろになってしまっています……。
住居の見つけ方は、
- 前任者からそのまま家を引き継ぐ
- 現地スタッフが探すのをサポートしてくれる
- 自分で住居を探す
など企業によって様々なルールがあると思います。
我が家は自分で家具付き物件を探しました。実際には夫が見つけてくれました。物件写真や動画を撮ってくれ、それをメールで送ってもらって夫婦で検討。最終的に悩んだ物件は表にして比較検討。と言ってもあれをとればこちらが立たずみたいな感じでしたが笑、周囲の環境などは私には分からないのでそこは夫の勘頼りでした。
- ドイツ的賃貸の当たり前、キッチンは自分で用意する
- 「キッチン+家具付き物件」を探す際の前提条件。
- 家具付き物件でオススメしたいもの。
- 家具付き物件で少し困る・合わないこと
- 乳幼児がいる家庭なら、個人的にはオススメしたいもの。
- 知らなかったこと。
- その他考慮すること
ドイツ的賃貸の当たり前、キッチンは自分で用意する
まず驚きなのは、普通の賃貸物件はガランと何もなく、キッチンさえもありません。ドイツでは賃貸暮らしの人もマイキッチンを所有していてキッチンごと引っ越す!そうです。日本のIKEAではキッチンが売っていますが、誰がこんなの買うんですか!(日本でマイキッチンを買う人はどのくらいいるんだろうか…戸建建築する人かリフォームする人くらい?)と思うキッチンが多くの住民に需要があるようです。
また、家具もオーダーが通常のようです。例えばIKEAは日本と同じようにその場で持ち帰ったり、配送依頼ができますが、家具は購入しても6〜8週間、キッチンはオーダーしてから届くのに約3ヶ月なのが普通! せっかく家を見つけてもその間どう暮らせば良いのだ!寝袋か? 多くの場合、駐在員本人の家族は後から引っ越してきますので、3ヶ月の間駐在員本人は何もない部屋で暮らし、我慢して暮らすこともできるかもしれませんが、多くの駐在員は普通に仕事が忙しいことが多く、ヨーロッパあちらこちらへ出張が多いと耳にしますので、日本に残っている家族と相談しながら家具を注文し、キッチンを注文し……そのために時間や労力を割くのはどうなんでしょう?
一応書くと、キッチンや家具は中古で買うこと、前にその家に住んでいた住人から買い取って引き継ぐ、こともやり方としてはできます。
駐在員は滞在期間が有限ですし、「キッチン付き物件」や「キッチン+家具付き物件」を探すのが簡単で総合的に考えると良いのではないかと思います。(参考:『デュッセルドルフに暮らす(第2版)デュッセルドルフ日本クラブ著』←何年も前のもので情報が古いですが、基本情報収集によいかも。残念ながら絶版!amazon.jpの中古市場で高騰してます)
ちなみに、キッチンがない間どう暮らすの?と現地住まいのドイツ人や日本人に聞いたことがありますが、なかなかやれる人は少ないと思いますが、キッチンが出来るまで、家具付き物件も借りて短期間住む(支出がすごいことになりそう)とか、自宅内でキャンプぽい生活をしていたとか……笑。
といっても、日本から家具を引越し荷物に入れるにしても、船便で1〜2ヶ月かかるんですけどね。やっぱり寝袋なのか!?(簡易的にIKEAなどで安い寝具を買うとかかな?)
「キッチン+家具付き物件」を探す際の前提条件。
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そもそも家具付きの物件は少ない
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デュッセルドルフの賃貸住宅は需要が供給を上回っており、高騰している
探せば安いのもないわけではなさそう。需要が供給を上回っているということは、不動産会社の担当者から直接聞きました。(正直この予算じゃ物件ないよ〜とやんわり言われたw)この状況から、企業の住宅補助を上げているという事例もあるそう。賃料が上がった理由は、単に需要と供給のバランスの影響だけなのか、詳しくはわかりませんが、借主が不動産業者に仲介手数料を支払う必要がなくなったために、大家がその分賃料に載せたという話もこちら在住の日本人から耳にしたことがあります。
(参考)
2015年6月1日から不動産仲介手数料に関しての法律が改正され, 家主が不動産業者に仲介業務を依頼している場合、 仲介手数料は家主が不動産業者に支払うことになりました。
(引用:HomeCompany不動産 http://www.hashimoto.de/)
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エレベーター付きの物件はとても少ない
ベビーカー利用者は、アパート0階(日本式1階)のエントランス内にベビーカーが、そのまま、あるいは折りたたんでとめられる場所があるか確認するとよいと思います。あるいは、とめてもよいか聞いてみるとよいと思います。我が家は、0階に小学生たちがキックボードを置いていて、たまにベビーカーが置いてありますが、基本的に部屋内にしまっています。
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駐車場付きの物件は少ない
(別途自宅外のガレージを契約したり、路上の有料駐車スペース、居住者用の許可証を得る)
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新築・築浅物件は少なく、築年数が経っているアパートが多い
市内でも新築が続々と建てられている場所もありますが、ドイツは日本と違い、古い建物でも不動産価値が大幅に下がることはないのもあって(羨ましいですね)、築年数の経っている建物は多いです。古くても中を綺麗にリフォームされている物件もあると思います。
家具付き物件でオススメしたいもの。
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キッチンに食洗機があること。
ドイツのキッチンはシンクも小さいことが殆どで、食洗機があると便利です。手洗いより節水です。日本から引っ越す直前、あれこれ念のため便利グッズ含めキッチン雑貨類を買い足しましたが、買い足す際の食器やキッチン雑貨を探す基準が「食洗機対応可」でした。水道の詰まり防止のため、食事が終わったら念のためペーパータオルでお皿を拭ってから食洗機に入れます。
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冷蔵庫が大きいこと。
ドイツ人はあまり自宅で料理をしないことが多いので、料理をよくする日本人にとっては大きい冷蔵庫は快適に暮らすためにはオススメ! ですが、逆に考えると、小さいとすぐに使いきれる量を買うだけなので、それもエコですね。システムキッチンは、冷蔵庫や食洗機などの家電を含め、化粧板が貼ってあることが多いです。そのため、冷蔵庫大きいじゃん!と思ったら、上の方はただの収納スペースで冷蔵庫そんなに大きくなかった……ということもママあります。冷蔵庫が小さいから冷凍庫が別途ある物件もありました。我が家の冷凍庫は小さいし、直冷式なので、霜がすごいです。
友人2名が、キッチンは中古で買ったが、冷蔵庫は大きいのを別途買った人がいます。元冷蔵庫は現在パントリーだそう笑。
"Meine Küche"(私のキッチン)と検索すると、みなさまご自慢のキッチンを写真で見ることができます。この写真のご家庭は、写真の右側が冷蔵庫コーナーです。冷蔵庫が大きそうに見えますが、冷蔵庫の上側に収納スペースが多分来ています。また、化粧板がついているので、冷蔵庫のドアを開けてみるとそんなに大きくない可能性も……。でも、このくらいのサイズがあれば、ドイツ的には充分大きいと思います!
(引用:http://www.zimmerschau.de/raeume/30489/meine-kueche )
Küche 'Meine Küche' - Det hygeligge hus - Zimmerschau
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キッチンの収納がそれなりにある。
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キッチンのコンロがフラットタイプ。
キッチンのコンロはフラットだからといってIHとは限らないのがクセもの。我が家はフラットで電熱線です。フラットタイプは見た目もスッキリですし、掃除が圧倒的に楽です!
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オーブン付き
キッチン付き住戸ではオーブンが無いことの方が逆に珍しいと思います。ドイツでは電子レンジよりオーブンの方を使っている人の方が多いと思います。我が家は、冷凍食品や冷凍したパンを解凍したり、オーブン料理などに利用しています。日本ではオーブンレンジを使っていましたが、日本での生活以上にオーブンを使っています。便利ですよー!
家具付き物件で少し困る・合わないこと
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全家具が自分たちの生活に完全に合っているとは限らない。
寝室には必ずどでかい衣装用収納家具がある物件が殆どだと思いますが、例えば本棚、靴箱などがないとか、あるけどいらないとか。趣味じゃないとか。引越し予算の都合がつけられるなら、キッチンアリ物件にして家具は日本から持って行くのは案外いいのかもしれない。
企業によっては家具付き物件NGだとか(なんでやねん)。
私は、家具?持ってったらものすごい金額になっちゃうんじゃない?駐在つったら家具は全部日本に置いてくのがフツーっしょ!?みたいなイメージがあって(自分の過去の海外暮らし経験もあってそれゆえに……)、
ベビーベッドのみ持ってきて、他は全部置いていきました。
予算ドキドキしていたのもあって。家具持って行く場合の引越し見積もりも出して貰えばよかった笑。
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キッチン用品、食器が貴重な収納スペースを埋めてしまう
家具付き物件は、食器類などもついていることが殆どだと思いますので、引っ越したその初日から生活を回すことができます。
大家さんって概ねお金持ちなので、キレイな物件にはオシャレな鍋(フィスラーとか!)があったりってこともあるのですが、備え付けのお皿や使う予定もないキッチン家電などで収納が溢れていて、我が家は日本から持ってきた自分たちの食器類をキチンと収納しきれていません。キッチンに棚もIKEAで買い足しました。
手が届かない収納棚の最上段に、備え付けのキッチン用品を詰め込んでスペースを確保しています。
乳幼児がいる家庭なら、個人的にはオススメしたいもの。
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一部屋になっているキッチン・リビング。
多くのドイツの住宅は、キッチン(Küche)とリビング(Wohnzimmer)が別室になっています。なので、日本のようにLDKタイプの住宅は珍しいと思いますが、たまに見かけます。
乳幼児がいる家庭にとって、目線を配る場所が1部屋で済むというのは大きいです。
また、キッチンからリビングにあるダイニングテーブルへ食事を運ぶのはとても面倒です。
ですが、キッチンで食事を取るのは割とドイツでは普通っぽく、キッチンに食事用の小さめのテーブルと椅子が元々置いてある物件もありますし、スペースがあれば、自分で購入して置いても良いと思います。
我が家はキッチンとリビングが別室です。
引越し当初はベビーサークルを買おうかと悩んでいましたが、悩んでいる間に、特に心配する月齢が過ぎた感じでした。
うちは、年齢的にギリギリなんとかなったかも……みたいな感じかも。子どもによると思いますが、我が家では目を離すと特に危なっかしいなと思った時期は1歳台前半くらいまででした。
ちなみに、ドイツ語でベビーサークルは「Laufgitter(ラウフギッター)」と言います。
知らなかったこと。
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住める人数が決まっている家がある。
2部屋ある家でも、1人までしか住めない、とか、
賃料設定が元々2名までで、人数が増える場合には家賃増える、など、
「この家、家賃も広さもいいじゃん!」と思ったら、2人までしか住めない家がありました。
不動産屋から、大家に確認してもらったり、交渉してもらったり、内見のアポを取るのに時間がかかることもあります。
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即入居可の物件はやや難ありの可能性も?
賃貸物件の広告は、早めに出すことの方が多いらしく、居住者が住んでいる状態で部屋を内見することがあります。即入居可ということは、難ありで売れ残り物件の可能性がなきにしもあらず。
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居住者などの都合で入居時期が伸びることがある
仮に11月上旬から住めると告知してある物件も、居住者がまだ出て行けなかったり、室内の修繕に時間がかかったり、告知時期通りに入居できないことがあります。
その場合、ホテルやウィークリーマンション暮らしが延長戦入ってしまいます。
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洗濯機などが全戸分地下室に集まっていることがある
しかもそれがコインランドリー式で1ユーロ必要なんて物件も!
小さい子どもがいるので、やっぱりいつでもすぐ気軽に洗濯したいので、洗濯機が部屋にある家を選びました。でも地下室にある物件は結構あると思います。
有料じゃなければいいんじゃないかな笑。
清掃業者を定期的に入れなければならないことがある
(日本人に貸すなら)清掃業者を定期的に入れてくれと大家から要求されることがあります。お掃除するおばちゃんはPutzfrauと言うそうですが、どこの人に貸すにしてもプッツフラウを入れるようにしている物件もあるそう。
お金をプラスして支払わなければなりませんが、ある意味掃除を任せられるので楽ではありますね。他人を家にあげるのは防犯的にも緊張しますよね。
日本人はよく料理をするのでキッチンがよう汚れるってことで、日本人だったら、と判断する大家もいるそうです。検討していた物件の一つが日本人なら〜と言われました。
その他考慮すること
できればドイツ人に優先的に住んでもらいたい大家が多いかも
文化や習慣、言葉の違う外国人よりも、ドイツ人にできれば住んでもらいたいと考える大家は多いようです。実際、ドイツ名と外国人名で物件の見つかりやすさが異なるという記事を見かけたことがあります。多分当たり前の心情だと思います。
陸続きのヨーロッパ、外国人が多く住んでいて、デュッセルドルフは外国人も多いので、オープンマインドな土地とは思いますが、場合によっては日本人だから少し手こずる可能性もゼロではないと頭のどこかに入れるとよいかもしれません。
私が住んでいたアパートは、大家はできればドイツ人がいいけど、特に国籍では拒否していませんでした。(住民は日本人、中国系、インド系、ほかがドイツ人といった感じでした。(本当は人種や国籍を理由に拒否はダメです)
キッチンの高さもチェックしておこう
(11/28加筆)
ドイツ人の平均身長は日本人よりも高いですが、候補物件のひとつがリビングとダイニングが一体型で、あまりにもキッチンの高さ(台の高さ?なんと言うのかな?)が高く、これは私には厳しいだろうと夫が判断して候補から除外しました。
特に多くの日本人はキッチンに立つ時間は多いので、無理ない高さの物件に出会えますように。
ものすごく長くなってしまいました。わかりやすくまとめられたらよいのですが、なかなか難しいー。
我が家は、上記のように書いたものの、リビングとダイニングは別室だし、洗濯乾燥機もなし、冷蔵庫はそこまで大きくないし、築年数も結構経ってます。
でも、最終的に決めた家は駅から近い、商店街が近いので食料品や日用品などの買い物もしやすい立地、環境は一番良いと判断した家で暮らしやすいです。各家庭によって、優先事項は違いますし、希望の全てが叶えられる物件はなかなか難しいですが、安全に暮らせればよいのかなーと思います。